- いつものカフェで同じメニュー
- 行き慣れた道
- 使い慣れたコスメ
「特に困ってないし、まあいいか」で続けていることって、意外と多いものです。
私の場合は、それが白髪染めでした。
体が変だとサインを出していたのに、気づかないふりをしてまで使っていました。
今回はそんななんとなく続けてしまう習慣の落とし穴について、少しだけお話しします。
習慣化のいい悪いは自分では気づきにくい
「今のままでも別に困ってないし」で続けていること、意外とありません?
- 飲食店では同じような料理を注文する。味の冒険はあまりしない。
- 正直あまり効果を感じていないけど、なんとなく続けているサプリがある。
- 車の運転は基本決まったルート。抜け道や別の道はあまり知らない。
これ、全部私のこと。心理学では現状維持バイアスと呼ばれて、ちゃんと名前がついてます。
変化を避けて、今の状態や環境をキープする行動のこと。
こういった要素は誰でも持っているもので、何も特別なことではありません。

この現状維持バイアスの厄介なところは、何らかの問題があっても、今の習慣を続けてしまうことなんです。
実際何となくの習慣って、特別体に悪いわけでもないので、気づかないうちにどんどん続いてしまいます。
白髪染めで違和感があっても続けることにためらいがなかった
この現状維持バイアス、私自身の白髪染めの習慣と重なるところがあって。
というのも、この現状維持バイアスって、
- 失敗したくない
- 今更慣れているものを変えたくない
- 最初にしたことを行動の基準にしている
という心理的なベースがあるんです。これ全部当てはまってるな~と思ったんですよ。
特に変える理由もなかったし、むしろこれがベストだと思い込んでいました。気づけば、それが自分にとって当たり前になっていたんです。
今でこそ白髪染め以外の方法を取り入れるようになった私ですが、実は一度白髪染めが原因で、体調を崩したことがあります。
体調に異変が起こったのは20代の頃。いつものように白髪染めを使っていました。すると何だか目が染みるような、強烈なニオイが。
白髪染めの独特のニオイには慣れていたはずなのに、明らかにいつもと違う。そのうち心臓がバクバクして、頭が重くなり、息を吸っても吸えない状態に。
これはおかしい、と慌てて洗い流しました。
「あれ、これもしかしてアレルギーなの?」とパニックになったにもかかわらず、その後10年ほど使い続けました。当時は単に運が悪かった程度にしか思っていなかったんです。
恐ろしいことに、試しにもう一度使ってみて大丈夫なら、これからも使ってみようと。で、幸か不幸かその後の使用では大きなトラブルがありませんでした。
当時の心境として、20代で白髪染めをやめるという選択肢がなかったんです。
白髪が1本2本のレベルではなかったからというのもありますが、白髪染めをやめること=自分のコンプレックスをさらすことという意味合いでもありました。
体が何か変だと訴えていたのに、私はなかったことにしていました。
「これ以外に選択肢がない」、「これがベストな方法」と思い込んでいたからです。まさに現状維持バイアスにどっぷりとハマっていました。
「コップの水」があふれても大丈夫なようにする

- コップの大きさは人によって違う
- どれだけ水を注いでも大丈夫かは人それぞれ
- コップの水があふれたら、アレルギーが発症
このアレルギー反応の話、聞いたことはありませんか?
一番の問題は、そのあふれる瞬間がいつなのか、誰にもわからないということ。あふれてしまったら、もう元には戻せません。
私の「コップの水」は一度こぼれそうになりました。
でも私はその事実を見て見ぬふりして、10年以上もコップに水をそそぎ続けたことになります。
忘れていたわけではありません。心のどこかで、「次に同じことが起きたら、もう使えなくなるんだろうな」という確信がありました。

白髪染めに代わる選択肢がないと、後で困ることにも気づきました。
(え、私結構ヤバい…?)と焦る一方、「白髪が見えるのが怖い」という気持ちが勝ってしまい、冷静な判断ができなくなっていました。
アレルギーが怖かったのではなく、白髪染めが使えなくなる方が怖かったんです。変化に対する心の準備ができていなかったんですね。
あなたはどうですか?もし今、白髪染めを使っていて、ある日突然「もう使えません」となったとき、すぐに気持ちを切り替えられそうですか?
習慣化が長ければ長いほど、変化への戸惑いは大きいです。習慣が長くなるほど、それを手放すのは勇気がいります。
白髪染めをしている人は、白髪が目立つのがイヤで染めているわけですから、簡単にやめられるものではありません。
だからこそ、今アレルギーがないうちに、白髪染め以外の選択肢を現実的に用意しておくことをオススメします。

知識として知っているだけでは、いざというとき役に立たないからです。
私は「満足できなかったら、白髪染めに戻ろう。まだ白髪染めは使える。」という気持ちの余裕があるうちに、カラートリートメントにトライしました。結果、自分に合っていると分かりました。
もしこれがアレルギーが出たあとで、「もう白髪染めは使えない」「でも他の選択肢では満足できない」となっていたら、かなり精神的にも追い詰められたはずです。
白髪染めじゃなきゃダメ、という思い込みから抜け出せたのは、選べるうちに行動したから。
試行錯誤できるうちが、いちばん幸せなんです。
だからこそもう少し踏み込んで「転ばぬ先の杖」用意しておきましょ。未来の自分を、ちょっとだけ助けてあげるつもりで。
何となくの白髪染めにサヨナラ
当時の私は、白髪染めを何となく続けていたわけではなく、必要だからやっていると思っていました。
それもそのはず、私が子どものころ――25年ほど前は、白髪を染める選択肢なんて今ほど多くありませんでした。
だから「これしかない」と信じて疑わなかったんです。でも、今は違います。
白髪をカバーする方法は、白髪染めだけじゃない。
それを頭ではわかっていたはずなのに、私は長い間、他の方法を試そうとしませんでした。
「慣れているから安心」「問題が起きていないから大丈夫」そう思ってしまうと、それだけで変える理由にはならないからです。
安心ではあるんですが、それって思考停止で続けていることに変わりありません。
私は今カラートリートメントを複数使いしてます。やっぱり白髪染めの件があってから、1つのものに頼るのは何となく気が引けるからです。
カラートリートメントは白髪染めよりずっと体にも髪にも優しいので、そこまで心配する必要はありませんが、「これしかない」と思い込むことの危うさは、経験から分かっています。
案外大したことない理由で続けていることなんて、いくらでもありますよね。ラクだし、考えなくていいし。
でも現状維持よりも、気づきのある生活の方が楽しいし、生活の幅が広がるような気もします。あなたも何となく続けていることに、ひと区切りつけてみませんか?
まとめ
ライフステージが変わるたびに、人との関わり方が少しずつ変わっていくように、自分の体との付き合い方もまた、年齢や経験に合わせて見直していく必要があります。
「これが一番いい」と思って始めたことでも、ずっと同じ方法だけを続けていると、知らず知らずのうちに見落としてしまうことや、リスクを小さく見積もってしまうこともあります。
だからこそ白髪染めがずっとできると思っていないか、今の自分に問いかけてみてください。
そんなときに「白髪染め以外にも解決方法があるから大丈夫」という気持ちは、あなたをしっかりと支えてくれますよ。手札が多い方がこれからの人生、何かとおトクじゃないですよ。
参考サイト:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/policy/n-002



